突然の出会い
!!!


茜ちゃんは俺の方にケーキの刺さったフォークを向けていた。


……微妙にギャラリーからの視線を感じる。


でもこれで断ったら茜ちゃんは悲しむよな……


それはいけないよな……


仕方ない。


ギャラリーのほうの対応は後日やるか。


俺は茜ちゃんを傷つけたくはない。


「?」


茜ちゃんは不思議そうにコチラを見ている。


「あ~♪」


そう言って茜ちゃんはフォークにさしたケーキを俺に向けてきた。


……えぇい!!


男は度胸だ!!


後からなに言われたって黙らせればいい。


ぱくり


俺は茜ちゃんが差し出すケーキを食べた。


「おいしい?」


茜ちゃんは上機嫌でたずねてきた。


「おいしいよ、ありがとう。茜ちゃん」


言葉と一緒に頭を撫でた。


「えへへ♪」


茜ちゃんは気持ちよさそうに目を細めながら俺に大人しく撫でられていた。


癒されるなぁ~


「茜ちゃん、人多くなってきたし庭に行ってみない?」


茜ちゃんはケーキを食べ終えたし、いい加減ギャラリーが鬱陶しい。


いちいち子供同士が一緒に居るだけで親の会社のことを勘ぐるなって言うんだ。


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