突然の出会い
それに人が庭にはあまり居ないから落ち着く。


いつでも人に見られて居るのは本当に辛い……


「……おにいちゃん、つかれたの?あっちにすわるとこあるよ?」


茜ちゃんに袖の裾を引かれ指さす方を見ればベンチがあった。


「疲れたわけじゃないよ」


俺を心配そうに見てくる茜ちゃんに大丈夫だと伝えたかった。


「?」


茜ちゃんは、じゃあどうして?と言う顔をしていた。


だから俺は


「やっぱり座ろうかな」


「うんっ♪」


一緒にベンチに行った。


俺が座ったのを見ると茜ちゃんは噴水の方に近づいて行った。


「噴水に近づきすぎたら駄目だよ」


「はぁ~い♪」


返事をして、茜ちゃんは庭をいろいろ見回っている。


はぁ~、小さな子に気をつかわせるなんて、俺もまだまだだな……


俺はベンチから茜ちゃんの様子をうかがいながらしばらくぼーっとしていた。


「やっと見つけた」


声が聞こえた方を見ると恭子がいた。


あぁ、面倒くさいな……


「久しぶりだね。どうしたの?何か用事かな?」


「あら、将来結婚するかもしれない相手に用が無ければ会いに来てはいけないの」


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