突然の出会い

かなり大きくなっているけれど、まだ幼さの残る顔だちはあの時の彼女を思い出させる。


そんなこんなで、驚いている間に荷物を集め終えた。


「二人とも本当にありがとうございました」


「どういたしまして」


と茜ちゃん。


「此方こそ本当に申し訳ありませんでした」


こうして、女性と別れ、茜ちゃんにもお礼を言った。


「君もありがとうね」


「いいえ、困ったときはお互い様です」


茜ちゃんは笑顔でこたえた。


「それじゃあ、私も行きますね」


「本当にありがとう」


「さようなら」


そう言って手を振って去っていく茜ちゃんの姿が昔の姿に重なった。


優しいまま、育ったんだ……


よかった。


それにしても綺麗に成長したな。


「あっ！いけない、急いでたんだった」


＊＊＊＊＊


「まぁ、こんな感じで一度会ってるんだ」


「確かに拾うの手伝った覚えはあるけど、かっこいいお兄さんだったって記憶しかないなぁ」


茜は残念そうだ。


まぁ、少し話しただけだしね。


仕方ない。


「それよりも、かっこいいって思ってくれたんだ。嬉しいな♪」


僕がそう言うと茜は顔を赤くさせた。