グリンダムの王族
セシルの旅立ち
しばらく平穏な日々が続き、セシルがファラントへ旅立つ準備も順調に進められていた。
そんなある日の午後、城内の鍛錬場ではいつものように騎士達が剣を合わせる音が響いていた。
近衛騎士隊の1部隊であるアランの隊も同じように鍛錬している。
それを見ているアランのもとに、男が1人近づいてきた。
「アラン、最近姫君の相手はしなくていいのか」
アランはその声に振り返った。
男は燃える様な赤毛に金色の瞳を持つ騎士である。
アランと同じように近衛騎士隊の中の1部隊を任されている男で、名前を、ギルバード・フォートという。
「もうすぐファラントに行かれるから忙しいんだ」
アランの答えにギルバードは、「ふぅん」と言うと、「剣の相手をしてくれ」と腰の剣を抜いた。
「了解」
アランはそう言うと、彼に向き直った。
ギルバードは3年ほど前にグリンダム王国に来た男である。
その前までは今は滅びたキスギル王国で仕えていたそうだ。
キスギル王国は軍事大国ゴートによって侵略され、現在はその領地となっている。
国を追われ、ゴードの捕虜になることから逃れ、グリンダム城に来たのが3年前だ。
もともと力のあった彼は当初は一般の騎士隊に居たものの、瞬く間に近衛騎士隊の隊員に昇格し、現在はそこで1部隊を任されるまでになっている。
剣が上手く、頭のいい男である。
次期近衛隊長は恐らくアランかギルバードのどちらかだろうと部隊の誰もが言っていた。
そんなある日の午後、城内の鍛錬場ではいつものように騎士達が剣を合わせる音が響いていた。
近衛騎士隊の1部隊であるアランの隊も同じように鍛錬している。
それを見ているアランのもとに、男が1人近づいてきた。
「アラン、最近姫君の相手はしなくていいのか」
アランはその声に振り返った。
男は燃える様な赤毛に金色の瞳を持つ騎士である。
アランと同じように近衛騎士隊の中の1部隊を任されている男で、名前を、ギルバード・フォートという。
「もうすぐファラントに行かれるから忙しいんだ」
アランの答えにギルバードは、「ふぅん」と言うと、「剣の相手をしてくれ」と腰の剣を抜いた。
「了解」
アランはそう言うと、彼に向き直った。
ギルバードは3年ほど前にグリンダム王国に来た男である。
その前までは今は滅びたキスギル王国で仕えていたそうだ。
キスギル王国は軍事大国ゴートによって侵略され、現在はその領地となっている。
国を追われ、ゴードの捕虜になることから逃れ、グリンダム城に来たのが3年前だ。
もともと力のあった彼は当初は一般の騎士隊に居たものの、瞬く間に近衛騎士隊の隊員に昇格し、現在はそこで1部隊を任されるまでになっている。
剣が上手く、頭のいい男である。
次期近衛隊長は恐らくアランかギルバードのどちらかだろうと部隊の誰もが言っていた。