グリンダムの王族
結局その後しばらく夜の間は、兵士が交代で墓を見張ることになった。

そして数日後のある日、再度墓を暴きに現れた3人の男が兵士によって捕まえられた。
その報告をセシルは女官から聞いた。

”話を聞くから来い”というクリスからの指示だった。

セシルはクリスがわざわざ自分を呼ぶとは思わなかったので、ちょっと意外に思いつつ広間へ向かった。



3人の男はしっかり拘束されてアレクサンドル王の前に連れて来られていた。
全員力が抜けたように項垂れている。
玉座の側にはクリスが立っている。
セシルはとりあえずクリスの隣に行った。

それに気付いたアレクサンドル王がセシルに目を向けた。

「セシル姫。
きみが彼らに話があるようだとクリスから聞いているのだが」

セシルはその言葉に、「はぁ、、、」と言いつつクリスを見た。
彼は何も言わない。
その目は王の前に座る3人に向けられていた。

自分は関係ないという様子だ。
それはまぁ構わないけど。
セシルは彼らに近寄った。

墓を暴いた3人は膝まづいた状態で、目を伏せている。
その顔には疲れとあきらめが見えた。

セシルは彼らの前に膝をついて座った。
その動作に、周りに居る者達も、犯罪者の3人も、驚いて目を見張った。

「、、、本当に、盗んだの?」

セシルが聞いた。

3人の中の1人が、その質問に「はい、、、」と力なく答えた。
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