グリンダムの王族
「なぜ盗んだの?」
セシルは続けて聞いた。相変わらず彼らに目線を合わせている。クリスはそんな彼女をじっと見ていた。
「子供が、、、飢えていました、、、」
男が戸惑いつつ、そう答えた。
クリスはその言葉に、「なに言ってるんだ」と声を上げた。
「お前達、都市カレフに住んでいるんだろ?
あそこの収穫の状況からして、飢えるような状態になるはずない」
王子の言葉を背中に聞きながら、セシルは「ああ言ってるけど、あなた達は小作人?」と聞いた。
小作人とは自分の土地を持たず、人の土地の収穫のために働く者のことである。
その地主から賃金をもらって生活する。
地主によっては賃金を出し惜しみする者も居るかもしれない。
けれども男達は首を振った。
「土地は小さいながら持っていますが、納税するのが精一杯です、、、」
セシルがアレクサンドル王を振り返る。王は顔をしかめていた。
「そんな重税を課した覚えはないが、、、」
セシルが男達に目を戻す。
「昔から納税で精一杯の生活を?」
その質問に男が首を振った。
「おととしからの急な増税で、一気に生活が変わりました、、、」
男の言葉にまたセシルは王を振り返った。王は目を丸くしている。
「私は増税などしていない」
王がそう言うと、3人の男達は驚いたように固まった。
セシルがその反応を確認し、立ち上がった。
「話がおかしいわ」
セシルはそう呟きつつ、王を見た。
セシルは続けて聞いた。相変わらず彼らに目線を合わせている。クリスはそんな彼女をじっと見ていた。
「子供が、、、飢えていました、、、」
男が戸惑いつつ、そう答えた。
クリスはその言葉に、「なに言ってるんだ」と声を上げた。
「お前達、都市カレフに住んでいるんだろ?
あそこの収穫の状況からして、飢えるような状態になるはずない」
王子の言葉を背中に聞きながら、セシルは「ああ言ってるけど、あなた達は小作人?」と聞いた。
小作人とは自分の土地を持たず、人の土地の収穫のために働く者のことである。
その地主から賃金をもらって生活する。
地主によっては賃金を出し惜しみする者も居るかもしれない。
けれども男達は首を振った。
「土地は小さいながら持っていますが、納税するのが精一杯です、、、」
セシルがアレクサンドル王を振り返る。王は顔をしかめていた。
「そんな重税を課した覚えはないが、、、」
セシルが男達に目を戻す。
「昔から納税で精一杯の生活を?」
その質問に男が首を振った。
「おととしからの急な増税で、一気に生活が変わりました、、、」
男の言葉にまたセシルは王を振り返った。王は目を丸くしている。
「私は増税などしていない」
王がそう言うと、3人の男達は驚いたように固まった。
セシルがその反応を確認し、立ち上がった。
「話がおかしいわ」
セシルはそう呟きつつ、王を見た。