グリンダムの王族
その日の夜、近衛騎士隊長とギルバードの騎士隊の一部は再びシャナンを訪れていた。
目立たないようにという理由で、同行させる騎士は5人のみとした。
武装も簡単にさせており、鎧で身を固めることはしない。
今日シャナンに視察に行くこと、夜には山賊捕獲のために待機するという予定でいることは、すでにゴード王国に報告済みだった。
騎士達は囮のための馬車に乗っている。
1人は操縦士、後2人が大きな布で覆われた荷台に身を潜めている。
馬車は暗い夜道を車輪の音を響かせながら走っている。
残りの2人の騎士とギルバード、そして近衛隊長ジョルジュは2手に分かれて左右の崖の上に居た。
右はジョルジュと騎士が1人。
左はギルバードと騎士が1人。
道に近寄りすぎないよう崖の上の林で、木々の間に隠れながら縫うように進む。
ふとギルバードの目が、前方の人影を捕らえた。
ゴードの兵士達だ。
遠くからでも顔を覆っているのが分かる。
ギルバードは口元に笑みを浮かべると、馬を止めた。
隣の騎士も同時に止まる。
彼も前方の人影には気づいているようだ。
「あれは、、、」
騎士が呟いた。
ギルバードは素早く自分達の位置を確認する。
木々のおかげでジョルジュ側からギルバードの姿は確認できない。
そしてもちろんゴードの兵士達の姿も、、、。
ギルバードは隣の騎士に目をやった。
騎士がギルバードを見る。指示を待っているようだ。
ギルバードが抜いた剣が鋭い光を放つ。
それは一瞬だった。
彼の剣が隣の騎士の喉を真一文字に掻き切った。
騎士の目が見開かれている。目の前の隊長を見つめたまま、ゆっくりと馬から落ちる。
ギルバードの冷たい金色の瞳がそれを見送った。
騎士の絶命を確認すると、ギルバードは踵を返して馬を走らせた。
後方の橋を目指す。
それを通れば、反対側の崖に行ける。
近衛騎士隊長の居る場所へ。
目立たないようにという理由で、同行させる騎士は5人のみとした。
武装も簡単にさせており、鎧で身を固めることはしない。
今日シャナンに視察に行くこと、夜には山賊捕獲のために待機するという予定でいることは、すでにゴード王国に報告済みだった。
騎士達は囮のための馬車に乗っている。
1人は操縦士、後2人が大きな布で覆われた荷台に身を潜めている。
馬車は暗い夜道を車輪の音を響かせながら走っている。
残りの2人の騎士とギルバード、そして近衛隊長ジョルジュは2手に分かれて左右の崖の上に居た。
右はジョルジュと騎士が1人。
左はギルバードと騎士が1人。
道に近寄りすぎないよう崖の上の林で、木々の間に隠れながら縫うように進む。
ふとギルバードの目が、前方の人影を捕らえた。
ゴードの兵士達だ。
遠くからでも顔を覆っているのが分かる。
ギルバードは口元に笑みを浮かべると、馬を止めた。
隣の騎士も同時に止まる。
彼も前方の人影には気づいているようだ。
「あれは、、、」
騎士が呟いた。
ギルバードは素早く自分達の位置を確認する。
木々のおかげでジョルジュ側からギルバードの姿は確認できない。
そしてもちろんゴードの兵士達の姿も、、、。
ギルバードは隣の騎士に目をやった。
騎士がギルバードを見る。指示を待っているようだ。
ギルバードが抜いた剣が鋭い光を放つ。
それは一瞬だった。
彼の剣が隣の騎士の喉を真一文字に掻き切った。
騎士の目が見開かれている。目の前の隊長を見つめたまま、ゆっくりと馬から落ちる。
ギルバードの冷たい金色の瞳がそれを見送った。
騎士の絶命を確認すると、ギルバードは踵を返して馬を走らせた。
後方の橋を目指す。
それを通れば、反対側の崖に行ける。
近衛騎士隊長の居る場所へ。