グリンダムの王族
その頃、ギルバードが動いたのを確認したゴードの兵士達は崖の上にゆっくり姿を現した。
反対側に居るジョルジュの目にも、それははっきりと見えた。

「、、、ギルバードは、どうした」

彼は独り言のように呟いた。囮の馬車が近づく。

シャナンでギルバードが得た情報通りに、馬車に向かって山賊達が馬とともに舞い降りた。

人数は5人。
ジョルジュと騎士は林から飛び出した。

馬車のもとへ駆け寄ろうとした2人の左右から、人影が近づいた。

ジョルジュはそれを見ると、舌打ちした。

「、、、まだ居たのか!」

ジョルジュと騎士を囲むように左右から3人ずつ寄ってくる。
情報よりも人数が多い。
たかが馬車一台襲うのに、こんな人数が必要なのだろうか。

ジョルジュはそんなことを考えながら剣を抜いた。

< 168 / 265 >

この作品をシェア

pagetop