グリンダムの王族
ギルバードの隊が城へ戻るとすぐに、山賊討伐の話が将軍からラルフへと伝えられた。

ラルフはその話に形のいい眉をひそめた。

「ジョルジュが、、、?」

将軍は目を伏せて、「山賊に倒されました、、、」と苦しげに言った。

将軍の話によると、山賊は5,6人という情報だったとのことだった。

それに合わせた人数を引き連れて討伐に向かったが、実際はその倍居た。
騎士を分散させていたために、急襲に対応できなかった。
ギルバードが気づいて駆けつけたために山賊は全員討伐できたが、隊長はその前に斬られていたため、助けられなかった。
その後ギルバードの働きにより、囮となった騎士達を襲った山賊も全員処分された。

と、そういうことだった。

ラルフは眉をひそめたまま、じっと考え込むような間をおいた。
将軍はただ王の言葉を待っている。

「、、、隊長の遺体は?」

ラルフの問いかけに、将軍は「ギルバードが連れて戻りました」と答えた。

「どこを斬られていた?」

「、、、背後から、首の後ろを、、、」

ラルフがクッと笑った。王の意外な反応に、将軍は驚いたような表情を見せた。

「次期近衛騎士隊長を決めなくてはならないな、、、」

ラルフが言った。

将軍は頷くと、「私は、アラン・デイクライトが適任と思われますが」と進言した。

ラルフは少しの間何も言わずに目をふせていたが、やがて目を上げると将軍を見た。

「アランを呼べ。
目立たないように、ここへ来させろ」

将軍は「かしこまりました」と言って頭を下げた。
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