グリンダムの王族
アラン・デイクライトはすぐにラルフのもとへ現れた。

その表情には深刻な状況を感じているせいか、緊張が見えた。
ラルフはアランが来ると、人払いをした。

将軍は意外そうな顔で退出した。
アランも王の行動に戸惑いを見せていた。

2人になると、ラルフは改めて目の前の騎士を観察した。
前から彼の評判は聞いていたが、国王として直接話をするのは初めてである。
アランの真っ黒な瞳が自分を見ている。

意志の強そうな目だと思った。

「、、、ジョルジュの件を、どう思う」

ラルフが口を開いた。その問いかけに、アランは目を見張った。

意見を求められるとは思っていなかったのかもしれない。

アランはその意図を探るようにしばらくラルフを見ていたが、やがて静かに口を開いた。

「、、、納得がいきません」

ラルフはその答えに、眉を上げた。
そして「どのように納得がいかないのだ」と重ねて聞いた。

アランは目を伏せて少し考えるような間をおくと、また目を上げた。
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