グリンダムの王族
村の娘
翌日、グリンダム王国はよく晴れていた。
クリスは国王の部屋によばれ、昼食をグリンダムの3兄妹と食べていた。
親睦を深めるのが目的である。
部屋のテラス近くのテーブルを囲んでいるため、
外の暖かい日の光と爽やかな風を感じられる。
けれどもクリスの心はそんな天気と裏腹に、曇ったままだった。
「王子は剣は使えるの?」
またもや不躾な質問がセシルの口から出た。
ラルフはちょっと目を見張り、カインはぷっと吹き出した。
クリスはムッとしながら、「当然です」と返事をした。
剣術は王族として当然の教養である。得手不得手は別として。
セシルは楽しそうに「へぇ~」と言うと、「じゃ、私と勝負してみる?」と聞いた。
「あなたも、、、剣を?」
セシルは今日も一応ドレスを身につけているため、
クリスにしてみれば彼女が剣を振るう姿は想像できないに違いない。
少し驚いたような様子だった。
「俺達がやる稽古は、ひととおりこいつもやったんだ」
カインがそう言って妹を親指で指した。ラルフがその言葉に、
「女とはいえ、グリンダムの王族ですから。
いざとなれば軍を率いる腕が必要なのです」
と説明を加えた。そしてふと間をおくと、「まぁ、もう必要ありませんが」と言った。
クリスは女性が剣を使っているのを見たことはなかった。
ファラントでは女性の騎士も居ない。
―――下品な上に、剣まで振り回すのか、、、。
クリスはもうこれ以上セシルのことを知りたくない気分だった。
クリスは国王の部屋によばれ、昼食をグリンダムの3兄妹と食べていた。
親睦を深めるのが目的である。
部屋のテラス近くのテーブルを囲んでいるため、
外の暖かい日の光と爽やかな風を感じられる。
けれどもクリスの心はそんな天気と裏腹に、曇ったままだった。
「王子は剣は使えるの?」
またもや不躾な質問がセシルの口から出た。
ラルフはちょっと目を見張り、カインはぷっと吹き出した。
クリスはムッとしながら、「当然です」と返事をした。
剣術は王族として当然の教養である。得手不得手は別として。
セシルは楽しそうに「へぇ~」と言うと、「じゃ、私と勝負してみる?」と聞いた。
「あなたも、、、剣を?」
セシルは今日も一応ドレスを身につけているため、
クリスにしてみれば彼女が剣を振るう姿は想像できないに違いない。
少し驚いたような様子だった。
「俺達がやる稽古は、ひととおりこいつもやったんだ」
カインがそう言って妹を親指で指した。ラルフがその言葉に、
「女とはいえ、グリンダムの王族ですから。
いざとなれば軍を率いる腕が必要なのです」
と説明を加えた。そしてふと間をおくと、「まぁ、もう必要ありませんが」と言った。
クリスは女性が剣を使っているのを見たことはなかった。
ファラントでは女性の騎士も居ない。
―――下品な上に、剣まで振り回すのか、、、。
クリスはもうこれ以上セシルのことを知りたくない気分だった。