グリンダムの王族
―――えぇぇぇ!!!

セシルは目を丸くした。驚きのあまり何も言えない。

「何がしたいわけ?」

クリスが不満気に問いかけた。セシルは、「何っていうか、、、」と言いつつ言葉を探す。

「どうせ毎晩会うんだから、昼は別々にすごしてもいいと思うんだけど」

クリスは毎日セシルの部屋で寝るのが日課だった。まさに気の休まる時がない。

「、、、別々じゃん。
セシルが俺との時間作ってくれることなんて無いし」

そう言われると困ってしまう。
作る必要性が全くないのだが、どうやらクリスにしてみれば、まだ2人の時間は足りないらしい。

どう言っても無駄のようだ。
もともと話の通じる相手ではない。

セシルはあきらめたようにため息をつくと、「もう、いい」と呟いた。

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