グリンダムの王族
セシルとクリスが馬に乗って前庭に出ると、そこではアランが軍を前に作戦の説明をしていた。
「グリンダム軍を前衛に配置し、城壁を突破する。
ファラント軍は後方で待機すること。
グリンダム軍を突破して出る兵が無ければファラント軍の戦闘にはならないし、グリンダム軍を突破できる兵は無い」
ファラント軍を安心させるために、大きなことを言っている。
そんな彼はセシルのよく知っている彼ではなく、騎士の顔をしている。
セシルはそんな彼の姿を遠巻きに眺めながら、微かに笑みを浮かべた。
胸が痛くならないといえば嘘になる。
それでも想いを伝え合えたことで、初めてセシルの中で決着を付けられた。
そんな気がしていた。
「あいつ、、、」
クリスが隣でぼそっと呟いた。
セシルが我に返ってクリスを見る。
クリスがその視線に気付いてセシルの方を向く。
そして一瞬何か言いたそうに口を開きかけたが、すぐに思いなおしたように閉じた。
そして、「なんでもない」と言ってまた前を見る。
セシルはそんなクリスにふっと微笑むと、その目をまたアランに向けた。
「グリンダム軍を前衛に配置し、城壁を突破する。
ファラント軍は後方で待機すること。
グリンダム軍を突破して出る兵が無ければファラント軍の戦闘にはならないし、グリンダム軍を突破できる兵は無い」
ファラント軍を安心させるために、大きなことを言っている。
そんな彼はセシルのよく知っている彼ではなく、騎士の顔をしている。
セシルはそんな彼の姿を遠巻きに眺めながら、微かに笑みを浮かべた。
胸が痛くならないといえば嘘になる。
それでも想いを伝え合えたことで、初めてセシルの中で決着を付けられた。
そんな気がしていた。
「あいつ、、、」
クリスが隣でぼそっと呟いた。
セシルが我に返ってクリスを見る。
クリスがその視線に気付いてセシルの方を向く。
そして一瞬何か言いたそうに口を開きかけたが、すぐに思いなおしたように閉じた。
そして、「なんでもない」と言ってまた前を見る。
セシルはそんなクリスにふっと微笑むと、その目をまたアランに向けた。