グリンダムの王族
夜襲
深夜のゴード王国は静かだった。
夜風が森の葉を鳴らす音だけが時折響く。
夜まで賑わう王都も明かりを消していた。
ゴード王国城では四方の見張りの塔に居る兵士が、今夜も眠い目をこすっていた。
いつものように何もない時間が続く。
見張りの塔から見下ろすゴードは、どこまでも暗闇に包まれていた。
山中の森をぬって進軍してきたカインとアランは一旦隊を止めて休憩させていた。
崖の上から並んでゴードを見下ろす。
うっそうと茂った木々が今は自分達を隠している。
城はもう目に入っているが、まだ距離はあるのが分かる。
城を囲うように広がる街並みが大きな円を描いて見えていた。
「この山を降りた先は姿を隠せません。
進めば見張りに見つかるでしょう」
アランの言葉に、カインは頷いた。
「時間的に、行ってもいいだろう。
ラルフの軍も着くころだ。」
そう言って間をおくと、「生きていれば」と呟く。
「先に参ります」
アランが言った。
「任せたよ」
カインが声をかける。
アランは後ろを振り返ると、騎士達のもとへと歩いた。
「行くぞ。山を降りたら一気に城を目指す」
「―――は!」
騎士達に、再び緊張感が広がった。
夜風が森の葉を鳴らす音だけが時折響く。
夜まで賑わう王都も明かりを消していた。
ゴード王国城では四方の見張りの塔に居る兵士が、今夜も眠い目をこすっていた。
いつものように何もない時間が続く。
見張りの塔から見下ろすゴードは、どこまでも暗闇に包まれていた。
山中の森をぬって進軍してきたカインとアランは一旦隊を止めて休憩させていた。
崖の上から並んでゴードを見下ろす。
うっそうと茂った木々が今は自分達を隠している。
城はもう目に入っているが、まだ距離はあるのが分かる。
城を囲うように広がる街並みが大きな円を描いて見えていた。
「この山を降りた先は姿を隠せません。
進めば見張りに見つかるでしょう」
アランの言葉に、カインは頷いた。
「時間的に、行ってもいいだろう。
ラルフの軍も着くころだ。」
そう言って間をおくと、「生きていれば」と呟く。
「先に参ります」
アランが言った。
「任せたよ」
カインが声をかける。
アランは後ろを振り返ると、騎士達のもとへと歩いた。
「行くぞ。山を降りたら一気に城を目指す」
「―――は!」
騎士達に、再び緊張感が広がった。