グリンダムの王族

城内の一室では、異変を知らされたガルバ王が寝台の上で半身を起しながら目を見張っていた。

眠っていたところだったので、即座に理解できない。

「、、、どこの軍だ」

やっとのことでそう聞いた。

「分かりません。
急いで城を出てください!敵はもう城内に侵入しております!」

ガルバ王は慌てて寝台から転がり出た。



城の前庭では激しい戦乱状態となっている。

ガルバ王はまだ敵の姿の無い裏庭を走り宰相が用意した馬にまたがると、城の裏の出口に向かった。

他の王族達も集まっている。

「一時避難する。ここで食い止めろ」

「―――は!」

見送る将軍にそういい残すと、彼等は宰相を連れて城を出て行った。

将軍は王族の消えた城を振り返ると、戦場へと戻って行った。
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