グリンダムの王族
ガルバ王は歯軋りしながら馬を進めた。
―――いったいどこの軍だ。今の時期侵略して来るとは、、、。
そんなことを考えながら馬を走らせる。
その行く手に壁の様なものが見えて、ガルバ王は眉をひそめつつ馬を止めた。
他の王族達も馬を止める。
彼等は呆然と前を見ていた。
壁に見えたものは、軍隊だった。
おびただしい数の軍隊が自分達の行く手を阻んでいる。
その軍旗に掲げられた紋章に、ガルバ王は凍りついたように固まった。
「グリンダム、、、」
口の中で呟く。
軍の中央に位置する、ひときわ立派な馬に乗った男がゆっくり片手を上げた。
その男の正体は明らかだった。
自分の部下が今暗殺を謀っている国王に違いなかった。
その男が、軍をしたがえて立っている。
他国との会談に出かけたはずの男が―――。
男が腕を振り下ろした瞬間、その瞳が鋭く光った気がした。