グリンダムの王族
雪崩れ込むように、城内にファラント軍も突入して来た。
突然数を増した敵に、ゴードの兵士達が一瞬ひるむ。
全員手を止めて城門を見た。
そしてそれと同時に、城の後方からおびただしい蹄の音が聞こえてきた。
それに気付いた兵士達が振り返る。
突然、城の後方から新たな軍隊が現れた。
次々と前庭に辿り着く。
急に膨れ上がったその軍隊の数に、ゴードの軍は完全に動きを止めた。
城内の窓から覗いていた将軍も目を見張る。
そして同時に、彼も初めてその軍の正体に気付いていた。
静かになったゴード王国城の前庭に、軍の間をぬって馬に乗った男が進む。
戦いの手を止めていたアランの目が、彼の姿をとらえた。
「ラルフ様、、、」
ラルフがゆっくり前に進み出た。
「グリンダム国王だ!!討て!!」
将軍が上から叫んだ。その声を遮るように、ラルフが右手を掲げた。
その手に持っているのは人の首だった。
髪をつかむようにして高く掲げる。
「―――ガルバ王だ」
ラルフのよく通る声が前庭に響いた。
同時のその手から首が放り投げられる。
ゴードの兵士の中に、ガルバ王の首が転がった。
将軍がそれを見て声を失う。
兵士達も皆、凍りついたように固まった。
ラルフは一呼吸おくと、再び高らかに宣告した。
「―――降伏しろ。
そうすれば王族以外の命は助けてやる」
ゴード王国城は、戦乱の前のようにまた不気味な静けさを取り戻していた。
突然数を増した敵に、ゴードの兵士達が一瞬ひるむ。
全員手を止めて城門を見た。
そしてそれと同時に、城の後方からおびただしい蹄の音が聞こえてきた。
それに気付いた兵士達が振り返る。
突然、城の後方から新たな軍隊が現れた。
次々と前庭に辿り着く。
急に膨れ上がったその軍隊の数に、ゴードの軍は完全に動きを止めた。
城内の窓から覗いていた将軍も目を見張る。
そして同時に、彼も初めてその軍の正体に気付いていた。
静かになったゴード王国城の前庭に、軍の間をぬって馬に乗った男が進む。
戦いの手を止めていたアランの目が、彼の姿をとらえた。
「ラルフ様、、、」
ラルフがゆっくり前に進み出た。
「グリンダム国王だ!!討て!!」
将軍が上から叫んだ。その声を遮るように、ラルフが右手を掲げた。
その手に持っているのは人の首だった。
髪をつかむようにして高く掲げる。
「―――ガルバ王だ」
ラルフのよく通る声が前庭に響いた。
同時のその手から首が放り投げられる。
ゴードの兵士の中に、ガルバ王の首が転がった。
将軍がそれを見て声を失う。
兵士達も皆、凍りついたように固まった。
ラルフは一呼吸おくと、再び高らかに宣告した。
「―――降伏しろ。
そうすれば王族以外の命は助けてやる」
ゴード王国城は、戦乱の前のようにまた不気味な静けさを取り戻していた。