グリンダムの王族
「俺はゴードの国王らしいけど。
、、、なにか文句が?」

カインの言葉にセシルが隣でぷっと吹き出した。

「、、、別に。勝手にしろ」

ラルフはカインから目を逸らしてぶっきらぼうに応える。
カインはそんな兄の反応に楽しそうに「ふぅん」と言った。

「じゃ、アランを将軍にもらおうかな」

「―――それはダメだ」

ラルフが即座に却下する。

「アランはグリンダムの近衛騎士隊長になる予定だ」

「将軍のほうが地位が高いじゃん」

カインが不満気に返す。
ラルフは首を振った。

「関係ない。ダメだ」

2人の会話を聞きながら、セシルがやれやれというようにため息を漏らした。

「やだやだっ。
2人してアランを取り合っちゃって」

そしてふっと微笑んだ。

「、、、さすが私が惚れた男だわ」

その言葉にラルフがセシルを見る。
そんな兄の視線を受け止めつつ、セシルは「なに?」と言った。

「なんか文句ある?」

セシルの言葉にカインが吹き出した。
ラルフはそんな2人を交互に見ると、不機嫌そうに顔をしかめた。

「―――勝手にしろ、お前ら!!」

吐き捨てるような兄の言葉に、カインとセシルは2人して声を上げて笑っていた。
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