グリンダムの王族
後宮に居るリズは、日々特に何もすることがなく、ただ本を読んだり散歩をしたりするだけの毎日を送っていた。
平民だった頃は毎日充実していた。
仕事だってやっと上手にこなせるようになってきたところで、楽しかったのに、、、。
リズは1人部屋の長椅子に腰掛けて、ぼんやりとしていた。
手には本を持っているが、今日は読んでも頭に入らない。
このぽっかり穴の開いたような毎日に、いつか慣れることができるのだろうか。
ふと部屋の扉が開いた。
部屋の掃除をしていた侍女が、対応のため扉に駆け寄った。
扉の向こうの誰かと、何かを話しているらしい。
リズにとってはどうでもいいことだった。
やがて扉の向こうから、女性が3人ほどリズの部屋に入ってきた。
1人を先頭にして、リズのもとへと進む。
リズは少し戸惑いながら彼女達を見た。
先頭の女性が足を止めると、
「リズ様。お迎えにあがりました。
私はカイン様に仕える女官長でサマンサと申します。
リズ様は本日より、カイン様の後宮へ迎えられます」
と、事務的な口調で言った。
リズはその言葉に、「え、、、」と短く言葉を発したが、それ以上は何も言う事が出来なかった。
女官長は呆然とするリズを、静かな目でただ見つめていた。
彼女が動くのを待っているようだった。
「でも、、、」
リズは目を見開いたまま、やっとそれだけ言った。
女官長は改めて頭を下げると、
「どうぞ、ご一緒においでください」
と、また事務的に言った。
平民だった頃は毎日充実していた。
仕事だってやっと上手にこなせるようになってきたところで、楽しかったのに、、、。
リズは1人部屋の長椅子に腰掛けて、ぼんやりとしていた。
手には本を持っているが、今日は読んでも頭に入らない。
このぽっかり穴の開いたような毎日に、いつか慣れることができるのだろうか。
ふと部屋の扉が開いた。
部屋の掃除をしていた侍女が、対応のため扉に駆け寄った。
扉の向こうの誰かと、何かを話しているらしい。
リズにとってはどうでもいいことだった。
やがて扉の向こうから、女性が3人ほどリズの部屋に入ってきた。
1人を先頭にして、リズのもとへと進む。
リズは少し戸惑いながら彼女達を見た。
先頭の女性が足を止めると、
「リズ様。お迎えにあがりました。
私はカイン様に仕える女官長でサマンサと申します。
リズ様は本日より、カイン様の後宮へ迎えられます」
と、事務的な口調で言った。
リズはその言葉に、「え、、、」と短く言葉を発したが、それ以上は何も言う事が出来なかった。
女官長は呆然とするリズを、静かな目でただ見つめていた。
彼女が動くのを待っているようだった。
「でも、、、」
リズは目を見開いたまま、やっとそれだけ言った。
女官長は改めて頭を下げると、
「どうぞ、ご一緒においでください」
と、また事務的に言った。