グリンダムの王族
セシルとの午後
翌日、日の光が降り注ぐ城の前庭では、朝から近衛騎士隊の1部隊が馬を率いて整列していた。
今日はカインとともに都市ライラの領地視察へ向かう。
今回も、アランの部隊が供として選ばれていた。
アランは準備を終えたカインと打ち合わせをしていた。
視察という名目だが、今日の目的は議会で検討した水害対策に関する話を領主と詰めることである。
王の命令により騎士を率いて外出するのは、もっぱら王弟であるカインの役割だった。
「カイン~!!」
ふと自分を呼ぶ声にカインは振り返った。
妹のセシルが駆けて来る。その姿を認め、アランがちょっと眉を上げた。
「どうした?」
カインが聞くと、セシルは顔を輝かせて「側室迎えたって聞いた!」と言った。
「あぁ、その話」
カインは納得したように言った。
そういえばセシルには特に言ってなかった。
おおかた女官あたりから噂話として聞いたのだろう。
「私、お昼一緒に食べてもいい?」
セシルの言葉にカインは、「リズと?」と聞いた。
「”リズ”っていうんだぁ~」
なにやらウキウキしている妹の様子にカインはちょっと笑った。
「俺はこれから出るから、昼には居ないぜ。たぶん領主官邸で食べると思う」
「カインは別に居なくていい」
カインはセシルとリズが2人きりで食事をするというのはどうなんだろうと思いながら、「例の子だって知ってんの?クリス王子に惚れられた」と聞いてみた。
セシルはコックリ頷いた。
「知ってる。だから話してみたいんだもん。ほんと災難よ、あの子」
今日はカインとともに都市ライラの領地視察へ向かう。
今回も、アランの部隊が供として選ばれていた。
アランは準備を終えたカインと打ち合わせをしていた。
視察という名目だが、今日の目的は議会で検討した水害対策に関する話を領主と詰めることである。
王の命令により騎士を率いて外出するのは、もっぱら王弟であるカインの役割だった。
「カイン~!!」
ふと自分を呼ぶ声にカインは振り返った。
妹のセシルが駆けて来る。その姿を認め、アランがちょっと眉を上げた。
「どうした?」
カインが聞くと、セシルは顔を輝かせて「側室迎えたって聞いた!」と言った。
「あぁ、その話」
カインは納得したように言った。
そういえばセシルには特に言ってなかった。
おおかた女官あたりから噂話として聞いたのだろう。
「私、お昼一緒に食べてもいい?」
セシルの言葉にカインは、「リズと?」と聞いた。
「”リズ”っていうんだぁ~」
なにやらウキウキしている妹の様子にカインはちょっと笑った。
「俺はこれから出るから、昼には居ないぜ。たぶん領主官邸で食べると思う」
「カインは別に居なくていい」
カインはセシルとリズが2人きりで食事をするというのはどうなんだろうと思いながら、「例の子だって知ってんの?クリス王子に惚れられた」と聞いてみた。
セシルはコックリ頷いた。
「知ってる。だから話してみたいんだもん。ほんと災難よ、あの子」