MOON CRY
気づいたら元いた場所に
無惨な姿で寝ていた…
葵も…
族の人が走っていても気にせず
あたしは声をあげて泣いた
葵はまだ起きない…
一生起きないんじゃないか
すごく不安になった
でも今のあたしは
泣くことしかできなかった
「どした?」
誰か話し掛けてきたけど
あたしは泣くことを
やめなかった
「よいしょ」
気づいたらバイクの後ろに
乗せられていた
…またひどいことをされるの?
あたしは怖くなったけど
その怖さと同じくらい
びっくりしたことがあった
―…MOONだ…
見渡すと葵も目を覚ましていて
もう1人の人のバイクの後ろに
乗せられていた