お姫様と王子様
「あ…今、“聞こえてるんじゃン”って思っただろ?」
図星。
なんか怖いよ・・・
「まぁ良いや、スッキリしたし。美香にこういうトコ見せられて♪」
「今までみんなを騙してたの?」
奏様、って毎日のように叫んでる女の子達を思うと虚しくなってくる。
「騙してるつもりはないよ。美香だってそーでしょ?」
「……うん」
「ほら、お互い様だろ?」
「そーだね。ってか、早くこの腕どけてよ」
奏はいつまでもあたしのことを抱きしめている。
「美香からキスしてくれたら良いよ♪」
──────は?
上を見上げると、勝ち誇ったような顔をした奏がいた。
コイツ、ほんっとS。