お姫様と王子様
「ねぇ美香!何でさっきの授業サボったの!?」
教室に戻ったら遥がいきなり聞いてきた。
「具合、悪かったから」
あたしは席に着いてから答えた。
「ふぅ~ん。どーせ、奏様と会ってたんでしょ?」
その名前聞きたくない。
「奏なんか、もう知らない」
「…もうケンカしちゃった系?」
「ケンカじゃない。もう、別れたの!」
あたしは机をバンッと叩いて椅子から立ち上がった。
クラスのみんなが一斉にこっちを向いた。
「もういいでしょ、
奏はあたしのことキライなんだって。あたしもだし…」
「ふーん。」
遥はそれ以上、何も言わなかった。