お姫様と王子様
「公園にでも行こっか」
卓さんは左耳に黒い髪の毛をかけながら言った。
あ、卓さんの左耳に…赤いピアスがある。
それも似合ってるかも。
「はい」
公園に行くまでの間、あたし達には会話がなかった。
別に、気まずかったわけではなく…
それが逆に心地よかったのかもしれない。
「はい、ここで良いかな」
卓さんは先に車を出て、助手席のドアを開けてくれた。
「スミマセン」
そしてあたしは車を出て気づいた。
「あ、ココ………」
「ん?どうしたの?? もしかしてこの公園、来たことあるの?」
来たことがあるもなにも…
この夕日がキレイな公園は──────…