４人４色。
「あ、あたしもいく!


「だめ!!雅は待ってなさいっ！」


ママに大きな声で怒鳴られた。


あたしはびっくりして少し固まっているとママははっとした顔をして、少し悲しそうな顔になった。


「怒鳴ってごめんね。
でも大丈夫だから。
今までもこんなことあったもの。
すぐに帰ってくるから少しだけ待っててね？」


「分かった…。」


あたしがそうつぶやくとママはすぐバタバタと玄関に向かい、急いで靴をはき勢いよくでていった。


でていった途端ガチャンと大きな音がし、玄関までふらふらと向かうとコスモスをいけた花瓶が転がっていて、水浸しになっていた。


この狭い玄関で急いでいたママが花瓶に肘でもぶつけたんだろう。


水に濡れてぐったりしたように見えるコスモス。

横になった少し欠けた花瓶。


ピチョン、ピチョンと靴箱から水滴が地面に落ちる音。


あたしの中の、張り詰めた線が切れた。


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