4人4色。
夢を、見る。

繰り返し繰り返し同じこの悪夢を。


小さな頃の夢。


市営の大きなゴミ処理場。


強く印象に残っている強烈な異臭。


これはきっとゴミが焼けた匂いだけじゃない。


何台も止まっている救急車に消防車。


こんな人が溢れた中で、たくさん運び込まれてくる担架の中で、なんで、パパの姿を見つけてしまったんだろう。


ママがパパの名を悲痛な声で叫び、しっかり掴んでいたあたしの手を簡単に離してパパと一緒に救急車に乗った。


人混みにおいていかれたあたし。


涙だけが溢れてボーッと出発した救急車を見つめる幼い頃のあたし。


泣かないで、あたし。

泣いちゃだめだよ。


『みっ、びの、――なのに…』


幼いあたしがなにか言っている。

え?なんて、いったの?


『み、やびの、――びなのに…っ
ど、して…』


ああ、お願いだから泣かないで。


あたしも、悲しくなるから。
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