4人4色。
バーンと派手に開かれたのは二つ隣の水也サンのお部屋だった。


「びっっくりしたじゃないか!
ボロで響くんだからゆっくりあけてよねー…っ
てええぇぇー…」


水也はプチお説教モードのあたしの前を軽く通り越してガンガンと勢いよく階段を駆け降りていった。


…あの水也が走るなんてめずらしい。

嫌なことがある日は、とことん嫌なことがあるらしい。


あたしはまさかと思いながらも、今日何度めかの嫌な予感を感じながら水也の後を追い掛けた。











「水也…足はっや!!」


この角どっち曲がったんだろー!!


切れた息を整えながら周りをキョロキョロ見ると少し見覚えがある場所。


やっぱり駅の近く。


じゃあたぶんあの喫茶店か…。


よし。


あたしはまた走り出した。
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