俺は猫になったんだ
誠一が、泣きそうな目で俺を見てる。
全く、お前もかよ。
言っただろ?
男が簡単に泣くんじゃねぇ!
歯ぁ食いしばれ!ってな。
正確には、愛の噛み付きや引っ掻きを与えただけだけど。
ママを、助けろよ。
男に生まれた意味、まだまだ足りない頭でしっかり考えろ。
誠一が、俺の意図を汲んだのか、歯を食いしばって、涙を堪えた。
それでこそ、俺の息子。
へへっと、人好きのする笑顔を向けられた。
「キティって、俺の父さんみたいだ」
「・・・・・そうね」
何だろうな、泣きそうだな。
誠一に言ったばっかりなのにさ。