永遠の時間
次の日。いつもと変わらない日だった。授業が終わり、帰ろうとしていた。夕希は先生に呼び出され、冴歌は委員会があると言い、そして、今日も二人で帰ることになった。朱夜は、自分の気持ちに気付いてから、聖奈を意識しすぎていた。
「あの二人、忙しそうだね」
聖奈が言った。朱夜は、全然聞いていなかった。
「朱夜くん、聞いてる?」
聖奈は朱夜の顔をのぞき込んだ。
「えっ、ごめん。何?」
朱夜は言った。
「もぅ~」
聖奈は、頬を膨らませていた。
「あのさ、今からどっか行かない?」
朱夜は訊いた。
「いいよ。行きたいところあるんだ」
聖奈は笑った。そして、聖奈の行きたいところに向かった。
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