永遠の時間
「朱夜くん」
聖奈が言った。
「何?」
朱夜は訊いた。
「あたしね・・・やっぱりいいや」
聖奈は、途中で言うのを止めた。朱夜は、気になった。また、何か隠してる。
「聖奈、約束してくれ。俺には、隠しごとしないって。俺、ちゃんと力になるから」
朱夜は言った。もう一人で苦しんでほしくなかった。苦しみも、二人で分かち合いたかった。
「・・・・・・」
聖奈は、黙ったままだった。
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