永遠の時間
「もう自分を責めないで。朱夜のせいじゃないから」
冴歌は言った。
「聖奈は幸せだったんだよ。好きな人といい思い出作れて。きっと幸せだった。だから、朱夜も幸せにならなきゃ。それが、聖奈の最後の願いでしょ。叶えてあげて。幸せになって」
冴歌は、だきしめる手に力を入れた。
「幸せに・・・なれるかな」
朱夜は言った。冴歌は、朱夜から体を離した。
「なれるよ。てゆうか、絶対ならなきゃだめ」
冴歌は笑った。
「そうだよな」
朱夜も微笑んだ。
「頑張るよ。頑張ってみる」
「うん。朱夜なら大丈夫」
冴歌の優しさが、笑顔が俺を救ってくれた。
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