これが俺の体験

不思議な力



おっちゃんが
先生に会いに行って2時間。

ロビーに集まった全員は
固唾をのんでいた。

ボクらを含めた
親戚一同の隣は賑わいをみせる。

だがこちらは一切誰も動かない。
口さえ動かさず止まっていた。


ボクは周りを見るが、すぐに目を伏せる。

動かない皆が怖かった。
動けない自分が怖かった。

母も下を向いたままだし、
こんなに緊張するのも初めての経験だ。


そしてボクがジュースを買おうとした時、

時間は動きだす。


「来た」


間違いない。

足音が違う。

おっちゃんと他に足音が耳に入った。


「待たせたな」

全員が一切に集まる。


「どうですか?」

「うん。幸い他には転移していない。
だが安心は出来ないから
ある場所に移送する」

「ある場所とは?」

「東京の自衛隊病院だ」


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