これが俺の体験


本で読んだ姿と違う。

怖い姿ではないのに、気味が悪い。


見ているボクの気分がどんどん悪くなる。



「あまり見るな。今のお前はすぐに連れていかれるぞ!」


おっちゃんは目を塞ぎ、ボクは全身を震わした。


あんな存在いらない。


怖いよ……本当に怖いよ……。


「お前は頑張って正の近くにいろ。正は近々入院するが、お前は自分の力を知るんだ!!」


「ボク……」


「正が殺されていいのか?お兄ちゃんを守りたいんだろ?」


やっぱり気付かれてたね。


あの電話から、おっちゃんがボクに何かしたのを知ってたよ。


だからボクは毎日願ったんだ。


力が欲しいって……




< 30 / 80 >

この作品をシェア

pagetop