これが俺の体験


それは本当に唐突に起きた。


目を開き、身体に力を込めるけど、マヒしたようにピクリともしない。


「た…………!!」


ダメだ声が出ない。


徐々に息苦しくなり、ボクは目が熱くなった。


とめどなく流れる雫、声にならない恐怖。


そして……闇に引きずりこまれそうになる視界。


徐々に視界が回り、高速で回されてるように、そして……腰がどこかに消えそうな感覚が恐かった。


これが金縛りなんだ……。


昔、一度だけ似た感覚があったが、今回のは違う。


まさか……死?


何故かボクの身体はガチガチになり、小刻みに震えだす。


嫌だ……死にたくない!
< 32 / 80 >

この作品をシェア

pagetop