これが俺の体験



時折、「痛い!」とか、「何してるの!」など、ドタバタした音が聞こえる。


耳がいいからか知らないが、小さな物音がはっきり聞こえたんだ。


そんな慌ててる中、白い普通車はボクの団地の真下に止まる。


ちなみに今日はクリスマス。

サンタさんに願ったプレゼントは叶おうとしていた。


ゆっくりと車の中で見慣れた顔が動き、車がガチャッと開いた。


「あれ?良?どうしたの?」


ボクはずっと言いたかった言葉を大きな声で伝えた。

「おかえりなさい!お兄ちゃん!」


「ああ……ただいま」


お兄ちゃんの久しぶりの手は、温かく、ボクの頭を撫でてくれた。


ありがとう……サンタさん。


叶えて……くれて……。



< 47 / 80 >

この作品をシェア

pagetop