これが俺の体験
なんでだろう?
ボクは悪いのに、どうしてお兄ちゃんが病気に?
神様なんていないの?
いや……ボクは知っている。
神様は存在するけど、病気から救う事は出来ない。
だけど──そうだとしても!
こんなのあんまりだ!!
何故、悪いボクが生きて、良いお兄ちゃんが苦しめられなければならない!?
ボクは……助けたい。
だから──探してみよう。
自分を強くする方法を。
ボクは決心した事をお兄ちゃんに伝える。
「お兄ちゃん、ボクが助けるよ!だから待ってて!」
お兄ちゃんの手を握り、ボクは伝えた。
喜んで欲しかったから。
だけど──お兄ちゃんは喜んでいない。
悲しい顔をしてボクに大きく首を振ったんだ……。
そしてペンを握ると紙に
『僕は大丈夫。危ないから止めて欲しい。僕なら平気だから』
ボクは思わず紙を見てから床に叩きつけた。
どうして?どうして解ってくれないの!?危ないなんて……なんで自分が助かろうとしないの!?
嫌だよ……ボクはまだ、お兄ちゃんといたいのに!!
上昇する怒りにボクは手を強く握りしめた。
そして、頭にいきなり浮かぶ言葉に我に返る。
諦めるんだ……
諦める……?
お兄ちゃんが死んでもいいから?
そんなの絶対に許さない!!