これが俺の体験
──ここはどこなんだろう?
辺りには光すらない真っ暗の中、ボクはいた。
──なに?なんなのこれ?
暗闇の中、ボクは必死に光を探す。
だけど、手には感触がなく、何も当たらない。
怖い……。
まるで今まで見ていたのが嘘のように、光なんか無かった。
──ついに開いたな?
ボクじゃない。
さっきも聞いた声が、再び聞こえた。
──愚かなり……生者が死の世界を覗き見るなど。
死の世界?
じゃあボクは──
──そうだ……。これが“死”だ。見える物もなく、ただ孤独に残る場所、ここが本当の世界だ。
じゃあ……お兄ちゃんは──助けられないの?
──お前は扉に触れたに過ぎなかったが、我らの脅威となる。それだけは許せないのだ!
声が徐々に怖さを上げる。
──我が同胞を殺される訳にはいかない!だからお前は死ぬんだ!