ー親愛―
大和や沙耶や大輔さん達とのWデートの次の日
私は早出だった
目覚し時計は 私を起こす事なく時刻を刻んでいた
“八重遅刻するわよ”
母親に起こされる
今まで こんな風に私が寝過ごそうが何をしようが 構う事なんてなかったハズだったのに
昨日 大和と別れてから家に帰った時も‘疲れてないの?’と優しく声を掛けてくれた
きっと私があの日 あんな事をしたからなんだ
そんな事を思いながら
早々と着替えを済まし 車に乗り込む
玄関から見送る母に手を軽く振り 急いで施設へとむかった