ー親愛―




それから3日後





シンは施設長と共に私のもとに帰って来た




施設長は シンに会う事を酷くためらい、制止した




だけど、会わずにはいられなかった。

会って この目で確かめたかった









シンに会う事は残酷で、私を悲しみの、涙のどん底へと突き落とした







真っ白な包帯でグルグル巻きにされていて、そのあちらこちらからは赤色の液体が滲み出ていて、シンとおぼしきものは なんら感じられなかった


“こんなの……………この人はシンじゃない………”







認めたくなかった


心臓がバクバクと音を立て、身体の血液が一斉に流れを早くしていく





足の先から頭の先まで巻かれている包帯をゆっくりと取っていく





………………………………………………………………………………………





目の前に現れた、残酷なほど痛々しいその身体は…………………………………………………………………………シン そのものだった









大きく私を包んだ手

左手の指輪

肩に刻まれた私の名前の入れ墨

背中の十字架の入れ墨

大きな鼻






認めざるを得ない 変わり果てたシンの姿





もう 私を抱いてくれた…………あの頃のような温かさは感じない









“いやぁぁぁ―!”





そばで見ていた大和は 私の身体を抱きかかえ 目を覆うように隠す








 “っつ。イタっ”






不思議だね?


こんな時に………




私の中に宿った生命が突然 動きを増して、自分のお父さんに会いたいとでも言うように…………






この世界に 顔を出したんだ





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