ー親愛―






“おめでとうございます。元気な男の子ですよ”




助産師さんがとても幸せで穏やかで優しい顔をして 私の額の汗を拭いながら話してくれた




“初産とは思えないぐらい、上手にお産が出来ていましたよ”




陣痛が始まってから およそ2時間



半月早く、私達の赤ちゃんが生まれた



元気な声で真っ赤な顔をして、精一杯泣いて



鼻も目も口も……………何もかも………シンに似てる



“はじめまして私達の赤ちゃん。お父さんにそっくりだよ。”


シンにそっくりの私達の赤ちゃんを抱きながら たまらず涙が溢れてしまう




私のオッパイを痛いぐらいに ひたすら吸う赤ちゃん


そのかけがえのない生命が 私を強く支えてくれる気がした






“お母さん。お父さんの分まで頑張るからね”


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