ー親愛―
シンの葬儀は 翌日おこなわれた
産後という事もあったが 助産師さんと先生に相談して シンの葬儀に行かせてもらう事になった
葬儀の段取り等は 全部施設長と大和が取り仕切ってくれていた
“施設長。大和。何もかもありがとうございます。”
“香坂さん………大丈夫?”
“大丈夫です。シンに赤ちゃんの写真見せたくて…”
“そうか……。アイツ、喜ぶよ……………三上。ここはイイから、香坂さんのそばにいてあげてくれ…”
“はい”
目を真っ赤にした大和が さりげなく私を葬儀場へと 連れて行ってくれた
シンは…… シンは真っ白な包帯と真っ白な衣をまとい 静かに横になっていた
私はシンの横に座り 携帯に写った私達の赤ちゃんを見せる
“シン。私達の赤ちゃん…だよ。目も鼻も口も、なにもかもシンにそっくりだよ………ねぇ。シン?”
“もう……イイだろ八重?お前も疲れがでると大変だから、少し横になれ…”
“ううん。私はイイの…大和こそ……ごめんね。いろいろ大変な事してもらって…。じゃあ。私、施設長の所に行って来るね”
“八重…。お前、大丈夫か?”
“……………うん”
溢れてきそうな涙を ぐっと堪える
シン………私 泣かないよ