ー親愛―
“主任によく似てる”涙目で 慣れない手つきで私達の赤ちゃんを抱く大和
シンが生きていれば…………きっとこんな風にこの子を抱きしめていたのだろう…
そう想うと 涙が溢れ出た
“大丈夫か?”
“ご、ごめん。涙もろくなっちゃって………。よかったら今日一緒にいてよ。独りでいると…淋しくっておかしくなっちゃいそうだよ…”
“ああ…うん”
大和と私は 狭いベッドに背中を合わせて眠った
こんな時に……いや。こんな時だからこそ、人の体温が私を優しく包んでくれた。
…私は生きている…
…もうシンはいない…
認めたくないけど 認めなきゃいけないんだ
私は…… 私は生きていかなきゃいけない
シンのぶんまで 赤ちゃんに愛情を注がないと…
シン…
私 強くなるからね