ー親愛―




“ねぇ。大和?”




“ん?”




“いつか、この子がもう少し大きくなって、お父さんが必要になった時…シンの話しをたくさんしてあげて欲しいの…”




“そんな事、たやすい事だよ。俺は主任の代わりにならないけど、いつもお前達のそばにいるよ”




“ありがとう”









―親愛なる人へ



私は貴方に出会って、たくさんの事を知りました 。そして、たくさんの宝物を貰いました。

マリアさんとは 月に一度 手紙でやり取りをしています。初めは慣れなかった英語も辞書を引きながら読んでいましたが 今では辞書なしで読めるようになりました。

私は仕事に復帰して 貴方に出会ったあのホームで働いています。そして、この4月から私は主任になりました。

大和はホームを辞め 自動車会社の派遣社員をやっています。介護職は家族を養えないと、三交替制の少し給料の良い所にしたみたいです。私は、私が働くから大丈夫だと。言ったけど、家族を養うのは男の役目だからと、大好きな介護の現場から離れました

施設長は 相変わらずで、とっても元気で 貴方の写真と向き合ってはお酒を酌み交わしています。未来に会う度に おもちゃを持って来るので、未来は“おもちゃのおじたん”と言っています


親愛なる人


貴方は そちらで楽しく過ごしていますか?


私が貴方の元を訪れるのは きっとまだまだ先だけど、待ってて下さいね。







―END
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