ー親愛―
沙耶にはたくさんの友人がいて 彼氏もいる
色白で 少しふくよかな彼女は誰からも好かれるタイプ
それに引き換え 私ときたら 人見知りが激しいし、この通りの少し変わったタイプ
誰もが あえて近付こうとしない私に 唯一話しかけてきたのが 沙耶だった
初めは『なんで私に構うんだろ…? きっと 恐いもの見たさなんだ。』と可愛くない私の考えを持っていたが、彼女と付き合っているうちに その考えをかき消した
正直 友人って呼んでイイのかさえ 分からない
だけど 私の事を名前で呼ぶのは 沙耶だけだった
とにかく 私のこの性格は 『出来る事なら、誰も近付くな』オーラをいつも放っているのだ
彼氏なんてものは もってのほかで、友人と呼べる人は誰もいなかった