ー親愛―




耳を切り裂くぐらい激しく粉々に割れる窓ガラス




激しく罵り合う両親



幼い私は暗い押し入れの中でタオルケットに包まれ ガタガタ震えながら 地震と雷が1度にやって来たような《夫婦ケンカ》が終るのを独り耐えていた




10分…30分 いや1時間 ……もっと長いかも




幼い私には 一生続く気がした




そして 地震と雷が治まると同時に私には父親がいなくなり、煙草の匂いだけが家中に充満していた




何が原因なのか分からない… ただ1年後、私には新しい父親というモノが出来ていた








……………………私は…ただのSEXの果てに………出来た子なの?




本当は私の思い違いなのかもしれない…。



だけど 多田慎二の言ったあの言葉が…忘れられなかった




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