ー親愛―





何も覚えていない







沙耶といつ別れたのかも





どうやって家に帰ったのかも






全然 覚えてい な い





ただ 喉の奥がとても痛くて




身体の中のモノ 全部吐いちゃいそうで






寝る事さえ 食べる事さえ 忘れてしまう










気がつけば







お風呂の中で カッターナイフ持って




ひたすらに “しんじ”という名前を深く深く 腕に刻んでいた






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