ー親愛―
“それにしても、あんた。酒癖悪いな。どうせ、酒呑むの初めてだったんだろ?今度から呑む時には、自分呼んでよ。”
“はあ?多田主任、何言ってるんですか?”
“主任って呼ぶのは仕事の時だけでイイよ。2人の時はシンって呼んでくれた方が楽だし。まっ。なんにしても、あんたと呑むと楽しかったわ”
この人と居ると自分が まだどうしようもないぐらい《子ども》だと 感じさせられる
“シ、シン?私…貴方が好きなんです”
“だから、何?…………自分の女になる?………なんて。な”
おどけたように 茶化すように笑うその顔を 私は真剣に見つめた
“私は…私は貴方となら、…”
《どうなってもイイ》
そう言い終えない私の唇を 多田主任…いや。シンの大きくて石鹸の香りのする手で塞がれた
“…わるいな…。”
《わるいな》 って 何が?
それって 私はフラれたって事?
それとも… また、《女をSEXの相手としか見れない》とか…。
どちらにしても 私は この人の心の隙間に入る事は出来ないんだと 気が付いた