ハントウメイ



そうだね。

不思議だよ。

どうして私はそんな行動をとってしまったのか、凄く不思議。

だけど、それより

蓮、君の方が私から見ると何倍も不思議でしょうがない。


「私は…何で入学式に出ないで今ここに居て、外眺めて、…れ、蓮と話しているのかわからない。……何でなのかわからない。だけど、そうさせたのはきっと蓮で…」

君のせい。

「俺?」

彼は少しおどけた顔で聞く。


「そうだよ。」


私はそう自然と笑顔で返した。


「……あっ。」

何?


「笑った、」

彼が笑う。

え?

「……え?」

「今初めて笑った顔見た。」

「………。」

彼から顔を反らす。

「笑わない子なのかと思った。」

「………。」

「ずっと無表情だから、ちょっと心配した」


「心配?」

「うん。」

「…べ、別に笑うぐらいするよ。…だけど無表情はよく言われるけど」

「うん。」

「…だから、気にすことじゃない」

「ははっ、玲。玲は無表情なんかでもないと思うよ、確かに笑いは少ない見たいだけど」


彼は自然な笑顔で私にそう言った。


初めてなんだ、そういわれたの。

いつも無表情って言われ続けてた。

君は私のどんな顔を見ているの?

私はどんな顔をしているの?

君の、

前だから?



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