ハントウメイ

学校につくとちょうど授業の間の休み時間。

だらだらとカーディガンに手を突っ込みなが階段を昇る。

1年だし、E組だし、最上階になるのはしょうがない。

だけど4階まで昇るのは正直一苦労だ。

2階の踊場についた時だった


「ねぇ、」

後ろから声がする。

明らかに私にかけただろう声を無視して進もうとすると

「ねぇねぇ、」

肩を掴まれた。

さすがに無視できなくなり振り返ると、男が3人立っていた。


あぁ、また…か。



「うーわ、やっぱ超可愛い!」

「つーか美人?てゆーより綺麗すぎっしょ」

「噂より断然じゃん」

私を見るなり話し始める彼等の隙間をみて無視をして行こうとすると手首を掴まれた。

「っ、まって!……つか、ほっそー」

あぁ、ウザい。

「……なに?」

無表情で聞く私に

「アドレス教えてくれない?」

一人が口を開く。

「………てゆーか、手。」

さっきから掴まれたままだ。

「…ん〜連絡先教えてくれたら離してあげる」


は?

ダルい。

………高校入ってからはこんな強引に聞く奴らは初めてだ。

まぁ、いいや。アドレスぐらいならどうってことない。


「…分かった、いいよ」


「よっしゃー、ラッキー」


あぁウザい。




そして連絡先を交換して彼等とその場で別れ、開放された私は教室へ向かうためまた階段を昇る。



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