ハントウメイ
ついた先は男の部屋。
一人暮らしだというのに相変わらず、かなり広い。
私が靴を脱ぐと男は直ぐに腕をとり、寝室へ連れていく。
そしてゆっくりと私に顔を近づけキスをする。長い深いキスを。
自然とベットに流れこみ、
私は男に抱かれた。
私は裸のまま薄暗い天井を見つめる。
男はベットから出て下着を着ると
「はい。これ今日のぶんね」
そう言って笑顔で渡された5枚のお札。
「僕はシャワーを浴びてくるよ」
男が寝室から出るのを見届け、ベットから出て制服を着る。
受け取ったお札を乱暴に鞄にしまうと、私はベットの端に腰を下ろし上半身だけをベットに沈めた。
そして瞳を閉じる。
あぁ、また。
君の顔が浮かぶ。
こんな時でも君を思いだしてしまう。
なんでかな、胸が苦しくなった。
こんな行為何度もしてきたはずなのに、
こんな苦しい気持ちになったのは初めてなんだ。
ねぇ、蓮。
私がこんな事をする人間だと君に告げたら
君はどんな顔をする?
どんな気持ちで私を見る?
…蓮。
蓮。
ねぇ、私は気付くと君の事ばかりなの。